寒風要塞を抜けて9時の方角に行くと「死の渓谷」がある。
そこに迷い込んだ者は己の作り出した影と戦うこととなる。
己に敗北した者は生きている死体となり、
未来永劫死ねないまま渓谷内をさ迷うといわれている。
ロンフェミナのグラテも生きている死体となった一人で、
アニマモードにならなければ話しかけることができない。

グラテが生前飼っていたナロというペルペロは
彼女の世話がなければ生きていけないという。
ひとり残してきたナロの身を案じるグラテに代わり、
ジェナーである私たちが探しにいくことに。

薄暗い洞窟の中で、グラテを探して迷い込んだのか
毛色が黄ばんだ年寄りのナロを見つける。
精神的にも肉体的にも弱りきっているだろうに、
こちらを警戒し飛びかかってくる。

そんなナロを返り討ちにするジェナー。
クエだから仕方ないにしてもあまり良い気分じゃない。
倒れて動かないペルペロの名前を、グラテの代わりに叫ぶ。
-ナロ!!-

最後の力を振り絞ってのっそりと立ち上がり、
ナロの視線はこちらに向けられる。

しかし、ナロは私たちを素通りし、
何もいないところへと向かって歩き出す。

突然視界が草原の中に。
これはナロの視界をかすめた天国か、
それともナロの幸せだった時の記憶だろうか。

薄れゆく最期の時に、大好きなグラテに会えたのだろう。

力尽きて倒れこむナロ。
その体はもう起き上がることはない。

親友の最期を看取ることができたグラテ。
感情が抜け落ちた彼女の淡々としているところが、
ある意味もっとも残酷に感じられる。

お礼に「優しい魂の兆候」をもらった。
「私は死にました」シリーズの報酬の「魂の兆候」が、
ほか2つは「悲しい」「悔しい」と恨みの気持ちが強そうな中、
これだけ「優しい」というのも感慨深い。
このクエストだけはいつ見てもやられてしまう。
プリウスが終わるまでにもう一度見たいクエストだったので
ここまでこれてよかた。
のぶさんありがとう。
もう語られることもないが、この先グラテも報われてほしいと願う。